- SNSマーケティング
- エンタメ業界
- デジタル広告
海外ゲームパブリッシャーが日本市場で勝ち抜くために|成功のためのポイントと主要プロモーション施策解説

概要
急成長を続け、世界有数の規模を誇る日本のゲーム・エンタメ市場。多くの海外パブリッシャーが日本市場への参入やシェア拡大を狙い、日々無数のタイトルがリリースされています。しかし、独自のカルチャーが根付く日本市場において、海外での成功フォーマットがそのまま通用するとは限りません。
本コラムでは、エンタメマーケティングを得意とするフラッグが、海外ゲームパブリッシャーが日本市場で勝ち抜くために押さえておくべきポイントと、主要なゲームプロモーション施策を解説します。
はじめに:日本向けローカライズ成功のための「3つのポイント」
海外パブリッシャーが日本市場で参入・シェア拡大を狙う際、本国の成功フォーマットがそのまま通用するとは限りません。日本独自のゲーマー心理や市場特性を理解し、正しい戦略を立てることが成功の鍵となります。
まずは、最新の調査データや当社の独自調査から導き出された「日本市場で成果を出すための3つのポイント」を整理しておきましょう。
ポイント1:「RPD約4倍」の熱狂を生む「キャラ愛・SNSコミュニティ」への着目
日本のモバイルゲーム市場は、1DLあたりの収益(RPD)が米国の約4倍と言われるほど「熱狂的なファン」を作りやすい非常に魅力的な市場です。

しかしその反面、海外で主流の「ゲーム性やグラフィック重視」のアプローチだけでは振り向かれにくいという特徴があります。日本市場では「キャラクターへの愛着(推し活カルチャー)」や「X(旧Twitter)を中心とした匿名コミュニティでのファン同士の繋がり」が購入やプレイ継続の大きな動機となります。知名度ゼロの状態から認知を獲得しファンを育成するためには、この日本特有のゲーマー心理に寄り添ったアプローチが必要です。
ポイント2:長期的なファン化をもたらす「IPコラボ戦略の活用」
日本市場において、認知獲得やエンゲージメント向上に最も強力なインパクトを与えるのが「IP・キャラクターコラボ」です。当社の独自調査によると、ユーザーが「良い企画だ」と感じたコラボ施策に対して、Z世代の71.5%、30代以上の63.1%が購買行動に好意的な影響を示していることが分かっています。

さらに特筆すべきは、単なる一時的なイベントで終わらない点です。同調査では、「コラボを機に購入し、期間終了後もそのブランドの商品を買い続けている」と回答したユーザーが大きな割合を占めました。
IPコラボは単なる一発屋の集客施策ではなく、新規層のハードルを下げ、コラボ終了後も定着して売上をもたらし続ける「長期的なLTV向上施策」として非常に高い再現性を持っています。本国(HQ)へ施策提案を行う際にも、この長期的なROI・ファン定着率は非常に強力なロジックとなります。
「Z世代×IPコラボに関する意識調査」に関するその他の調査データは、こちらのお役立ち資料で公開!
ポイント3:日本向けの「カルチャライズ運用・クリエイティブ制作」
海外パブリッシャーが日本市場で陥りがちなのが、「本国の広告アセットや運用体制をそのまま日本に流用してしまうこと」です。
どれほど海外で実績のある高品質なクリエイティブであっても、テキストの違和感や海外ウケするデザインのままでは、日本のゲーマーの心を掴むことはできません。日本ファンに喜ばれ、興味関心を持ってもらうには、単なる「ローカライズ」を超えた「カルチャライズ(文化適合)」が不可欠です。


- 日本人に刺さるクリエイティブ制作:
日本のトレンド・文脈に合わせたキャッチコピー、配色・構成、声優の起用、構図の調整など、日本ゲーマーが喜ぶグラフィック・動画アセットを新規制作・最適化すること。 - 日本市場に合わせた運用体制:
公式XやDiscordなどのコミュニティ運用において、日本のスラングやトレンド、季節イベント(正月・GW・夏祭り等)を掛け合わせたリアルタイムな発信・キャンペーンを展開すること。
その他のゲームプロモーション全般で重要な「中長期戦略」については、こちらのコラムでも解説!
多くの企業が実践する4つの主要ゲームプロモーション施策
これらの3つのポイントを踏まえ、実際に日本市場で成功を収めている海外パブリッシャーはどのような施策を展開しているのでしょうか。現在、多くの企業が取り入れている「4つのプロモーションの特徴」と最新事例を解説します。
「OOH(屋外広告)×SNS連動」:参加キャンペーン施策で話題化
日本市場において認知を広げ、熱量を爆発させるために多くの海外パブリッシャーが取り入れているのが、秋葉原や渋谷などの「聖地」での大型広告(OOH)と、X(旧Twitter)でのプレゼント・ハッシュタグ企画を掛け合わせた「SNS連動型キャンペーン」です。
これを大型アップデートや周年のタイミングに合わせて定期的に実施することで、休眠ユーザーの復帰とコミュニティの熱量維持を達成できます。
事例①:Kuro Games『鳴潮 (Wuthering Waves)』主要都市ビジョンジャック × X還元キャンペーン

新バージョン(Ver3.1等)や周年(2nd Anniversary)のタイミングに合わせて、秋葉原・池袋・渋谷の大型ビジョンや駅構内広告を全面ジャック。同時にX上でAmazonギフトカード還元などのハッシュタグキャンペーンを展開しました。リアルな街頭広告を「ファンが写真撮影してXに投稿するネタ(聖地)」に変換することで、SNS上での爆発的な話題化(UGC創出)を達成しています。
事例②:KRAFTON JAPAN『PUBG MOBILE』周年記念デジタル統合キャンペーン

8周年記念のアップデート(Version 4.4.0)に合わせて、TwitchなどのオンラインチャンネルやSNS、デジタル動画コンテンツを連動させた統合キャンペーンを展開。対象商品購入やSNS参加で「ご当地銘店ラーメンギフトカード」が当たるような日本特化のミニキャンペーンを組み合わせることで、コミュニティのエンゲージメントを高め、長期的なゲームプレイへの復帰を促しています。
「大型リアルイベント」:直接体験での熱狂増幅と事前予約の創出
大型リアルイベントは、発売後のファンコミュニティ維持や周年施策としてはもちろんのこと、「発売前の事前登録・事前予約(ウィッシュリスト獲得)」においても効果的な役割を果たします。 発売前に試遊体験や豪華なブース演出を通じて期待感を最高潮に高めることで、ローンチ初期の爆発的なスタートダッシュとコアファン化を同時に達成できます。
事例①:東京ゲームショウ(TGS)における海外パブリッシャーの大型出展

出展社の過半数を海外企業が占めた「TGS 2025」に続き、30周年を迎える「TGS 2026」でもNetmarbleをはじめとする海外勢が大規模ブースを展開しています。未発売の新作タイトルの可プレイデモ(先行試遊)、豪華なステージイベント、没入感のあるブース体験を提供することで、発売前の段階で試遊体験をSNSで拡散させ、爆発的な事前予約・ウィッシュリストの獲得に繋げています。
事例②:Stray Fawn Studio『ダンジョンクロウラー 幸運うさぎと魔法の爪』のBitSummit出展

日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit」に出展した本作は、海外からの優秀な作品に贈られる「インターナショナルアワード賞」を受賞しました。日本のカルチャーに寄り添ったゲーム性であったことに加え、日本国内のリアルイベントの場で直接評価を獲得したことでメディアへの露出が急増。日本のゲーマーへの認知拡大と売上向上に成功につなげています。
「VTuber・インフルエンサー」:日本独自のカルチャーを活用
日本のゲーマー心理を捉える上で外せないのが、VTuberをはじめとするインフルエンサーの存在です。彼らを単なる「広告塔」として消費するのではなく、彼らのファンコミュニティとゲームIPを深く結びつける共創型の施策が求められています。
事例①:NetEase Games『IdentityV 第五人格』×「にじさんじ」

総勢19名もの「にじさんじ」所属ライバーが参加する大規模な公式コラボ配信を実施。単なるゲーム紹介としてではなく、推しのVTuber達がゲームを楽しむ姿をファンと直接共有することで、新規層のプレイハードルを下げ、既存・休眠ユーザーのプレイ意欲を刺激しています。
事例②:Supercell『ブロスタ』× 霜降り明星・粗品氏のCM起用

同作のガチプレイヤーとして知られる粗品氏を起用し、彼自身のYouTubeチャンネルで大人気の企画「1人賛否」や「ゲーム実況」のノリをそのまま落とし込んだWeb CMを公開。単なる知名度頼りの起用ではなく、インフルエンサーが持つ独自の文脈とゲームへの熱量を公式が深く理解して再現することで、ファンコミュニティからの共感と話題化を引き出しています。
「日本発IPとのコラボ」:大規模ファンコミュニティとの接点創出
海外タイトルが日本のユーザーに受け入れられる最大の壁は「カルチャーの壁」です。日本のゲーマーが慣れ親しんだIPや声優を起用する「カルチャライズ」への投資は、本国HQを説得する上でも非常にリターンの大きい戦略と言えます。
事例①:Blizzard Entertainment『Overwatch 2』コラボと吹き替え強化

『ワンパンマン』等の日本アニメIPとのゲーム内コラボを実施。また、著名な日本人声優を継続的に起用し、新ヒーロー追加時も迅速に日本語吹き替えを強化しています。日本市場のカルチャーに寄り添う姿勢が、ファンの厚い信頼を獲得しています。
事例②:HoYoverse『崩壊:スターレイル』×『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』
![『崩壊:スターレイル』×『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』コラボクエストの告知ビジュアル。](https://www.flag-pictures.co.jp/wp2023/wp-content/uploads/2026/08/image-11-1024x576.png)
日本を代表する大人気アニメIPとの大規模なゲーム内コラボを実施。単なるキャラクターの登場にとどまらず、原作のシナリオライター(奈須きのこ氏)やイラストレーター(武内崇氏)の全面協力のもと、ストーリー構成からスキルデザインに至るまで徹底した作り込みを行いました。日本のコアファンが求める世界観やクオリティに応える「深いカルチャライズ」を実現することで、原作ファンコミュニティへの認知拡大に成功しています。
まとめ:日本進出を成功に導く「戦略的パートナー」として
ここまで見てきたように、日本のゲーム市場で勝つためには「持続的なコミュニティ形成」と「日本独自のカルチャーへの適応」が不可欠です。しかし、これを海外から、あるいは限られた日本法人のリソースだけで完遂するのは容易ではありません。
私たちフラッグは、ゲーム・アニメなどエンタメ領域に特化したエージェンシーとして、単なる運用代行ではなく「日本進出における戦略的パートナー」として伴走します。
最新のAIを活用したエンゲージメント施策のご提案から、リアルタイムなデータ収集・分析に基づくコミュニティツール運用までをワンストップで提供。最大のハードルである「本国のHQ(本社)の決裁」を通すための、説得力のあるデータやロジックに基づいた提案書の作成から強力にバックアップいたします。
海外ゲームのカルチャライズ実績も多数ございます。
ゲームプロモーションで課題を感じてらっしゃるご担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
弊社のサポート実績はこちら
お問い合わせはこちら

伊東 晴菜
グロース戦略室
営業現場からキャリアをスタートし、現在はZ世代ならではの視点とリサーチ力を活かして、コラムやnote、メルマガ、展示会など自社のインバウンドマーケティング施策を幅広く担当。
これまで100本以上のコンテンツを手掛けてきた発信力と、アニメやお笑い、音楽などのエンタメへの愛を武器に、トレンドや文脈を意識した情報発信を心掛けている。




