• SNSマーケティング
  • X
  • エンタメ業界
  • デジタル広告

【2026年最新事例】ゲームプロモーションで熱狂を生む戦略|新作・既存IP別の中長期マーケティング設計

概要

近年、ゲーム市場の成熟とユーザーの可処分時間の奪い合いは激化の一途をたどっています。「せっかく良いゲームを作ったのに、プロモーションが届かず埋もれてしまった」「発売日にはトレンド入りしたのに、その後ユーザーが定着しなかった」といった課題を抱えるマーケターの方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、エンタメマーケティングを支援する企業の視点から、ゲームプロモーションの最新トレンドをはじめ、作品の立ち位置に応じた最適なアプローチ、具体的な成功事例までを網羅的に解説します。

(2026年8月6日更新)

「ゲームプロモーション」とは?

ゲームプロモーションとは、ゲーム作品の認知拡大、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーのエンゲージメント強化を実現するための一連のマーケティング活動を指します。

具体的な手法は、Web広告やSNS運用、SNSキャンペーン、インフルエンサーマーケティング、メディアPR、リアルイベントの出展など多岐にわたります。単にゲームの存在を知らせるだけでなく、「そのゲームで遊びたい、他ユーザーと一緒にプレイしたい」という動機や熱量を醸成することが本質的な目的です。

2026年のゲームプロモーションにおいて重要な「中長期戦略」

ゲームのプロモーションにおいて、発売日当日(ローンチ)に広告予算を集中させ、認知のピークを作る手法は長年業界の主流でした。しかし、2026年現在の市場環境において、この発売日特化のプロモーションは機能しづらくなっています。

限られた可処分時間の奪い合いと三刀流プレイヤーの増加

【可処分時間の奪い合いをまとめたグラフ】
日本のゲーマーの可処分時間は1日1〜2時間であり、他ゲームや動画視聴との奪い合いが加速していることを示す3つのグラフ。平日のゲーム時間は2時間未満が約7割を占め、ゲーム時間確保のために削られるのは動画視聴が最多。またコアゲーマーの半数以上が複数タイトルを掛け持ちしている実態を表している。

現代の日本のゲーマーを対象とした調査によると、国内ゲーマーの平日のゲームプレイ時間は2時間未満が約7割を占めており、他タイトルや動画視聴との間で時間の奪い合いが激化しています。 さらに、コアゲーマーの39.7%がPC、コンシューマー、モバイルを併用する三刀流であり、53.3%が同じ日に複数タイトルを掛け持ちして遊んでいるというデータもあります。 

このように、限られた時間のなかでデバイスを横断して遊ぶ現代のプレイヤーは、自発的な口コミや熱量のあるコミュニティが存在しないタイトルからはすぐに離脱してしまいます。そのため、発売日に一時的なトレンドを作るだけではなく、発売前から発売後まで継続して話題を提供し続けるプロモーション設計が不可欠です。

【既存作品/新規作品別】ゲームプロモーションの最適アプローチ

ゲームプロモーションを最適化し成果を最大化するための鍵は、対象とするゲームがすでにファンを抱える既存作品(シリーズ、続編、リメイク)なのか、あるいは認知ゼロからスタートする新規作品(完全新作、インディー)なのかという、タイトルの立ち位置に応じたアプローチの使い分けにあります。

【既存/新規作品別の最適なアプローチをまとめた表】
ゲームタイトルの立ち位置に応じたプロモーション手法のまとめ表。既存作品(シリーズ・続編等)はマンネリ打破や休眠復帰のための「コラボ」や「没入型施策」、新規作品(完全新作・インディー等)は信頼獲得のための「実況歓迎の設計」や「公式クリエイタープログラム」が効果的であることを示している。

既存作品のアプローチ:既存ファンの熱量を活かした裾野拡大

ファンベースが既に存在する既存作品(シリーズ・続編・リメイク)における最大の課題は、情報解禁パターンのマンネリ化を防ぎ、既存ファンの熱量をいかに最大化してライト層へ波及させるかです。

意外性を掛け合わせるミスマッチ戦略

情報解禁のパターンが固定化しやすい既存作品では、ブランドイメージとは対極にある意外な要素を掛け合わせることで大きな驚きを生み出し、休眠層やライト層の関心を惹きつけることができます。

歴史とクオリティを担保する本物の権威付け

作品の歴史や開発クオリティに対する信頼を強固にするため、その分野における最高峰のレジェンドや当事者から直接評価を得ることで、説得力の最大化を狙えます。

疑似体験による継続的な話題の創出

ユーザーを受動的な広告の視聴者に留めず、自らが作品の世界に入り込む疑似体験(エンゲージメント施策)を設計することで、熱量の高い口コミ拡散を生み出します。

新規作品のアプローチ:プレイヤーのコミュニティ化とUGCの活性化

知名度ゼロから出発する完全新作やインディータイトルにおける最大の課題は、信頼性をどのように獲得し、プレイヤーが主役となって自走するファンコミュニティをいかに形成するかです。

プレイヤーが主役となる余白の設計

公式がすべての情報やストーリーの正解を提示するのではなく、プレイヤー自らが考察し、発信する余白を残しておくことで、熱量の高いユーザーコミュニティが構築できます。

UGCの公式制度化による拡散の仕組みづくり

二次創作やプレイヤーの活動を黙認するステップを超えて、公式がマーケティングの仕組みとして制度化し、ユーザーにインセンティブを付与して自律的な拡散エンジンを生み出すことができます。

コミュニティ形成を目的とした継続的な波づくり

新規作品では、発売日当日の一過性のバズだけではなく、発売前のテスト段階からコアコミュニティを構築し、段階的に熱量を高める中長期的な設計が必要です。 クローズドテスト期に配信視聴による参加資格付与(Twitch Drops等)を連動させる、あるいはDiscord等のクローズド環境で開発とユーザーが双方向でやり取りを行うなど、発売前の段階で最初の強力なファンベースを形成しておくことが、後の大きな波に繋がります。

ゲームプロモーション成功事例

ゲームプロモーションにおいて、ユーザーの熱量を最大化し、中長期的なアプローチにより話題化と購買行動へ繋げた成功事例をご紹介します。

『バイオハザード レクイエム』

【シリーズ作品・メガIP】多層的な購入不安解消とSNSでの爆発的認知獲得
企業名: 株式会社カプコン

(引用:PR TIMES

実施内容 

【発売前】:段階的な期待形成と「購入不安」の徹底的な相殺

  • 「Summer Game Fest 2025」での告知や1st Trailer等を一挙公開し、情報発信の大きな山を形成
  • 「gamescom 2025」における世界初試遊にて4冠(Most Epic / Best Sony PlayStation Game等)を獲得し、ユーザーやメディアの巻き込みに成功

【発売前後】: 異物混入による話題の創出と、発話の型の提供

  • 作品のダークな世界観と真逆のトーンを持つ「夢グループ」と異色コラボを実施し、通販番組の文脈でゲームと「夢ぶら下がり健康器」をセットにした『恐怖の悪夢セット』を販売
  • 発売日当日から公式Xにてフォロー&ハッシュタグ投稿を促す「発売記念キャンペーン」を実施し、ユーザーに投稿・反応させる発話の型を提供

【発売後】:コミュニティのアップデートと生活導線での接触獲得

  • ゲーム内で全プレイヤーの「累積プレイ時間」や「総撃破数」を各国の人口統計と比較して表示する仕組み(GLOBAL STATS)を導入し、ユーザーをコミュニティの当事者へとアップデート
  • CAPCOM STOREでのレッドブル配布キャンペーンや、レッドブルと連動した全国実店舗ステッカー配布などを展開し、ゲーム外での露出を維持

施策のポイント

歴史あるビッグタイトルである本作が抱える、「怖すぎて自分には遊べないという心理的障壁」と「発売直後の一瞬だけ盛り上がって失速する」というライフサイクルの短さに焦点を当てたアプローチを実施していました。

 発売直前の「Showcase」で初心者向け難度等を丁寧に実演解説して購入不安を相殺しつつ、本編とは真逆のトーンを持つ「夢グループ」との異色コラボをぶつけることで既存ファン以外のライト層へ話題を拡張しました。

「不安の解消 ➔ 異業種コラボによる話題創出 ➔ 共同体化による離脱防止」にいたるまで、切れ目のないカスタマージャーニー設計が施されたことにより、成功を収めています。

『NTE: Neverness to Everness』

【グローバル展開・メガF2P】ハイエンドな世界観醸成と長期的ライブサービス運用
企業名: Perfect World Games / Hotta Studio

(引用:PR TIMES

実施内容 

【発売前】大規模リアルイベントの早期出典による認知の種まき

  • 「東京ゲームショウ2024」などの大規模リアルイベントへ早期出展し、実機試遊などを通じてコアゲームファンへ存在感を早期にアピール

【発売前後】SNSを活用した熱量のコミュニティ化

  • テスト参加権やインゲーム特典を配信視聴と連動させ、「見る ➔ プレイしたくなる ➔ SNSで投稿する」という熱量循環を創出
  • 事前登録者数やSNSリポスト数に応じたマイルストーンを設定し、ユーザー自身が作品を周囲に拡散するインセンティブを構築

【発売後】ソーシャルプルーフの最大化と定着

  • 秋葉原・池袋の街頭OOHや店舗の大規模ジャックを展開し、「今これが流行っている」という強いインパクトを提示してUGCを大量誘発
  • 「Porsche 918 Spyder」等の実車が登場するハイエンドブランドコラボを展開し、ゲームの枠を超えたスケール感と価値をアピール

施策のポイント

TGSなどのリアルイベント出展で早期から種をまき、Twitch Dropsやミッションラダーといったデジタル施策を通じて、熱量の高いファン獲得とエンゲージメント創出を事前に高めていました。

この基盤があったからこそ、リアルな街頭ジャックというトリガーを引いた際に、情報が「点」ではなくコミュニティ全体の「面」で連鎖的に爆発し、強力なソーシャルプルーフを生み出すことに成功しています。

『魔法少女ノ魔女裁判(まのさば)』

【インディー・新規IP】熱量連鎖と口コミによるコミュニティ共創
企業名: Re,AER / Acacia

(引用:ファミ通.com

実施内容 

【発売前】クラウドファンディングを通じた初期コアコミュニティ形成

  • 発売前の段階でクラウドファンディングを実施し、多額の資金調達と同時に、「発売初日から作品を強力に拡散・応援してくれる当事者意識の高いファン層」を構築

【発売前後】世界観に没入させるSNS運用とUGCのインフラ化

  • 公式Xにて、ダークファンタジーな世界観を徹底した「事前処刑投票」企画などを展開し、プレイヤーの当事者意識を刺激
  • 公式ハッシュタグ「#まのさば」を軸に、ファンアート、ゲーム内考察、実況配信(VTuber/ストリーマー)が定常的に投稿・拡散される土壌を構築

【発売後】メディアミックスによる話題の波のコントロール

  • 発売後に話題を減衰させないため、コミカライズ、朗読劇イベント、Nintendo Switch版の発売など、戦略的なマイルストーンを継続的に配置

施策のポイント

マス予算を持たない本作が成功した最大の要因は、公式によるUGCの公認(配信ガイドラインの明記)と、考察の『余白』の設計にあります。公式が答えを提示しすぎず、謎や伏線をあえて残すことで、プレイヤーがSNSや実況配信を通じて自発的に議論できる環境を構築しました。

これにより、新規ユーザーが「他者の実況や考察を見る ➔ 欲求が刺激されて自分で遊ぶ ➔ 自分の考察を発信する」という、広告費をかけずにファン自身が新規顧客を連れてくる自律的な集客に成功しています。

成果を生み出すゲームプロモーション企業・パートナーを選ぶ基準

ゲームプロモーション企業やマーケティングパートナーを選ぶ際、SNSや広告の運用代行やキャスティングの実績だけで判断するのはリスクが伴います。本当に成果を出すためには、以下の3つの基準を満たしている企業を選ぶことを推奨します。

  • 市場やターゲットのインサイトに基づいた、文脈の「カルチャライズ・編集力」があること
  • 単発のバズではなく、持続的なファンコミュニティを形成するためのクリエイティブ力と柔軟な運用体制があること
  • 施策の成果を定量的・論理的に証明し、ステークホルダーへの説明を可能にするデータ設計力があること

フラッグは、映画・アニメ・ゲームをはじめとする総合的な「エンタメマーケティング」の知見を軸に、戦略立案からクリエイティブ制作、SNS運用、そしてグローバル基準のデータレポート作成までを一気通貫でサポートしています。「一発のバズではなく、長く愛されるファンコミュニティを作りたい」とお考えの担当者様は、信頼できるパートナーとして、ぜひお気軽にご相談ください。

弊社でのゲームプロモーションサポート事例(一部抜粋)

『ボーダーランズ 4』マーケティングコミュニケーション支援

  • 世界観を最大限に生かす、オンライン×オフラインのコミュニケーション施策を担当
ボーダーランズ4 マーケティングコミュニケーション支援 事例

「たまごっちのプチプチおみせっち おまちど〜さま!」X Amplifyパッケージ施策

  • 実際のプレイ画面を活用し、Web上で擬似的にゲームにチャレンジできるLPを制作
「たまごっちのプチプチおみせっち おまちど〜さま!」X Amplifyパッケージ施策 事例

「NBA 2K」シリーズ デジタルプロモーション

  • 「NBA 2K」シリーズのデジタルプロモーション全般を担当
「NBA 2K」シリーズ デジタルプロモーション 事例

お問い合わせはこちら

伊東 晴菜

グロース戦略室

営業現場からキャリアをスタートし、現在はZ世代ならではの視点とリサーチ力を活かして、コラムやnote、メルマガ、展示会など自社のインバウンドマーケティング施策を幅広く担当。
これまで100本以上のコンテンツを手掛けてきた発信力と、アニメやお笑い、音楽などのエンタメへの愛を武器に、トレンドや文脈を意識した情報発信を心掛けている。

コラム一覧へ

このコラムを読んだ人はこのコラムも読んでいます