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【2026年5月版】エンタメマーケ会社社長が注目したエンタメニュースまとめ

概要
このコラムでは、日々社内で議論しているエンタメマーケティング分野の最新トピックの中から、これからのエンタメビジネスを考える上で欠かせないニュースを厳選し、エンタメマーケティング企業の社長である久保の視点を交えてご紹介いたします。
バンダイ「ランダム販売取りやめ」に見る消費者インサイト

バンダイが一部商品で予定していた「ランダム仕様」での販売を取りやめ、通常販売に切り替えると発表しました。
昨今、ランダムグッズ(いわゆるブラインド販売)は一種のブームになっていましたが、「9割の消費者がランダム商品を嫌っている」という調査結果が出るなど、ユーザーの間にはヘイトが溜まりつつありました。欲しいものにたどり着くまでのコストや射幸心を煽る仕組みに対し、消費者の疲弊が限界に達していたのだと思います。
短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへの信頼やファンとのエンゲージメントを優先した今回の判断は、エンタメマーケティングに携わる我々にとっても非常に学びの多い事例だと感じました。
Netflixのアニメ戦略から見えてくる「グローバルIPビジネス」の次なる一手

Netflixのアニメ戦略に関するインタビュー記事からも、エンタメマーケティングの最前線が見えてきました。特に興味深かったポイントは以下の2点です。
ライト層でも「字幕&日本人声優」が受け入れられている
アニメコア層が多いCrunchyrollでは半数が字幕視聴とのことですが、ライト層が多いNetflixでも実は1〜2割が字幕で視聴しているそうです。これはつまり、海外プロモーションにおいて「日本人の人気声優を起用したマーケティング」が、コア層だけでなくより広い層にも十分に通用する(=武器になる)ことを意味しています。
「マーチャンダイジング(グッズ化)」への本格参入
今後Netflixは、配信だけでなくグローバルでのマーチャンダイジングにも本格的に取り組む意向を示しています。IPホルダーから権利をお預かりするためには、「Netflixと組めばグローバルでグッズも売れる」という明確な成功事例を作らなければなりません。
今後は配信プラットフォーム側も、事例作りのためにかなりのマーケティングコストを投下してくることが予想されます。ここに国内の有力スタジオがどう絡んでいくのか、今後のグローバル展開が非常に楽しみになる動向です。
ハリウッドの映画予告編会社が事業をたたんだのはAIが理由?

3つ目は映像制作の現場から。米国の老舗映画予告編制作会社が事業を撤退するというニュースがありました。
「ついにAIの波に飲まれたか?」と思いきや、真相は「社長が辞めて競合会社を立ち上げ、仕事をかっさらっていった」という非常に人間臭く、悲しい理由でした。しかし、だからといって業界が安泰なわけではありません。数年のうちに「AI化の波」が予告編業界に確実に訪れることは間違いありません。
今後この業界が生き残る術を考えると、現時点では「徹底してAIを積極的に活用し、コストと価格を極限まで下げて残存者利益を得る(競合が撤退するのを待つ)」というような、いわゆる焦土作戦的なアプローチが有力になってくる気もしています。
日本の予告編制作業界においても、これから生き残りをかけた熾烈なシェア争い、いわば「仁義なき戦い」が起きることは想像に難くありません。AIという破壊的イノベーションを前に、エンタメ制作の現場がどう適応していくべきか、深く考えさせられるトピックでした。
東映の決算発表から読み解く、アニメ事業の圧倒的スケールとフラッグの使命

5月に発表された東映の26年3月期決算。増収増益の素晴らしい業績でしたが、個人的に注目したのはその「事業構造におけるアニメーションの存在感」です。
東映の映像事業売上の約7割がアニメであり、連結決算においても東映アニメーションが売上の50%、営業利益の80%以上を占めている状況です。日本のエンタメ産業において、アニメがいかに巨大なグローバルビジネスになっているかを如実に物語る数字です。
そして非常に身の引き締まる思いだったのが、今回の決算説明会にて、吉村社長からデジタルマーケティングの重要性を語る文脈の中で「フラッグとの提携」について直接言及いただいたことです。
これだけ巨大化するアニメ・映像ビジネスにおいて、デジタルマーケティングが担う役割はますます重要になっています。日本の素晴らしいIPを世界中のファンにどう届けていくか。我々フラッグに対する期待の大きさを改めて実感し、パートナーとしてその責務を全力で全うしなければと強く感じたニュースでした。
さいごに
消費者のインサイトの変化から、グローバルプラットフォームの戦略、AIによる制作現場の淘汰、そして日本が誇るアニメ産業のスケールアップまで。アンテナを広げてみると、至るところにエンタメマーケティングのヒントが転がっています。
フラッグとしても、こうした世の中の変化や最新のテクノロジーを常にキャッチアップし、クライアントの皆様にとって「最強のマーケティングパートナー」であり続けられるよう、日々アップデートしていきたいと思います。

久保 浩章
1979年生まれ、東京大学経済学部卒業。
在学中の2001年に合資会社フラッグを創業、2004年1月に株式会社化し代表取締役を務める。
映画やアニメ、ゲームなどエンタメ業界のマーケティングを中心に、IPコンテンツの企画開発も手がける。


