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AnimeJapan 2026現地レポート!過去最多15万人超、熱狂の現場から見えたアニメビジネスの最前線

概要

3月28・29日、東京ビッグサイトで開催されたAnimeJapan 2026に参加してきました。13回目となる今年は、出展社数・来場者数・会場面積のすべてが過去最大を更新。かつての”オタクの祭典”的な雰囲気はもはや皆無で、新作アニメのショッパーを手に歩く老若男女の姿が印象的でした。

現場で感じたリアルな熱気と、ビジネス視点からの考察を自社IPの企画開発やコンテンツ投資を担当する、エンタメ企業の執行役員がお届けします。

AnimeJapan 2026とは何か?― 業界の「今」が集まる場所

業界最大規模イベントの立ち位置

東京ビッグサイトで開催されたAnimeJapan 2026の入口の様子。
東京ビッグサイトで開催されたAnimeJapan 2026の入口の様子

AnimeJapanは2014年に初開催され、今年で13回目を迎えたアニメ業界最大規模のイベントです。出展社130社超・延べ200ステージはともに過去最多を記録し、今年は初めて南展示棟と屋上展示場が追加されました。

一般来場者向けの「パブリックデイ」と業界関係者向けの「ビジネスデイ」の二層構造になっているのも特徴で、ファンの熱狂とビジネスの商談が同じ場で交差するイベントです。

新作情報が一斉解禁される「発信源」としての顔

AnimeJapanといえば、新作アニメの製作発表やキャスト解禁、映像初公開が集中するタイミングとしても定着しています。今年も多くの新作情報がこの場で一斉に解禁され、会場はもちろん、SNSやネットメディアを通じて国内外のアニメファンへと一気に情報が広がっていきました。

アニメ業界の情報が生まれる場所として確立されており、業界関係者にとっても「ここに来れば最新情報をキャッチアップできる」という共通認識があります。毎年多くの業界人が足を運ぶのもうなずけます。

15万人超の熱気 ― 会場で感じた「アニメ、ここまで来たか」

来場者数は過去最多の15万人超。会場は終日にぎわい、人気ブースには行列ができる一方、各エリアが熱気に包まれていました。

来場者の層を見渡すと、老若男女が自然に混在しており、特定の属性に偏ることなく、一般の人口比率に近い顔ぶれでした。新作アニメの情報が入った紙袋を手に会場を歩く人々の姿を見て、アニメというコンテンツが広い世代・属性に届いていることを改めて実感しました。

なお今年は工事の影響でコスプレイヤーズワールドが南棟へ分離されたため、メインの東棟展示エリアはアニメの展示・情報発信に特化した空間に。それぞれの楽しみ方で来場できる、より間口の広いイベントになった印象を受けました。

このように、Z世代は企業からの一方的な広告よりも、実体験・専門性・文脈の近さがある情報をより信頼していることがわかります。

各社の本気が並んだ展示ホール ― 気になったIPを一挙紹介

アニプレックス ― 海外人気IPに外国人来場者が集中

アニプレックスのブースは今年もひときわ大きな存在感を放っていました。「鬼滅の刃」や「ダンダダン」など海外でも高い人気を誇るIPのブースには、外国人来場者(全体の約1割)が明らかに多く集まっており、グローバルでの日本アニメの強さを改めて感じさせます。

また、新作「黄泉のツガイ」や、長らく待望されていた「魔法少女まどか☆マギカ〈ワルブルギスの廻天〉」などの展示もあり、今後の作品への期待感を高める内容になっていました。

KADOKAWA ― 「FANTASY FOREST」の世界観展示

KADOKAWAの人気&注目作品が集まるブース。思わずのぞき込みたくなるような設計で、来場者の目を惹いた。
KADOKAWAの人気&注目作品が集まるブース

KADOKAWAブースはひときわ装飾に凝っており、「KADOKAWA ANIME FANTASY FOREST」と銘打ち、不思議な森の世界観のなかに各作品キャラクターの書き下ろしイラストが並ぶ没入型の空間に仕上がっていました。

東映アニメーション ― フォトスポットとキャラクターグリーティング

「ONE PIECE」の注目キャラクター「ロキ」の立体展示。ひときわ目立つ展示で、来場者の関心を大きく引き寄せていた。
「ONE PIECE」の注目キャラクター「ロキ」の立体展示

「ドラゴンボール」や「ONE PIECE」といった国民的IPの大型フォトスポットには、多くの人が足を止めて写真を撮っていました。キャラクターグリーティングは整理券が売り切れるほどの人気で、こうした体験型コンテンツの強さを改めて実感しました。

葬送のフリーレン ― 3面スクリーンで余韻に浸る

「葬送のフリーレン」ブースの3面スクリーン。作中キャラクターのふぇるんとシュタルクが画面に映っている。
「葬送のフリーレン」ブースの3面スクリーン

第2期が終わったばかりのタイミングで展示されていたのが「葬送のフリーレン」。SCREEN Xのような巨大な3面スクリーンで作品映像が流れており、その没入感から多くの人が立ち止まって見入っていました。作品への余韻と相乗効果を生む展示の好例でした。

気になった作品:天幕のジャードゥーガル

主人公のシタラが大きく映った、「天幕のジャードゥーガル」オリジナルクリアファイル。
「天幕のジャードゥーガル」オリジナルクリアファイル

個人的に気になったのが、今年7月の放送開始を控えた新作「天幕のジャードゥーガル」。モンゴルのゲルをイメージしたフォトスポットと、オリジナルのクリアファイルが配布されており、まだ知名度が低い段階ながら独特の世界観がしっかりと印象に残る展示でした。

アニメはいつの間にか、みんなのものになっていた

今回のAnimeJapanで最も強く感じたのは、アニメが完全に大衆文化として根付いたという実感です。来場者の顔ぶれを見ていると、アニメが特定のファン層だけのものではなくなっていることは明らかです。企業にとっては、これまでのようなコアなファン層へのリーチだけでなく、ライト層や新規層をいかに取り込むかが、これからの競争軸のひとつになってくるのではないでしょうか。

一方で少し気になったのは、10代の来場者が少ない印象だったことです。チケット代をはじめとする参加コストを考えると、若い世代がアクセスしやすい環境づくりには、まだ伸びしろがあると感じました。

なお、AnimeJapanは2027・2028年の2年間、大阪での開催が予定されています。東京ビッグサイトを舞台に積み上げてきたこのイベントが、大阪という新たな場でどのような顔を見せるのか。出展企業の戦略や来場者層の変化も含め、今から楽しみにしています。

 

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蛯谷 朋実

前職で映画のデジタルプロモーションや映画メディアのブランディングなどを経験したのち、フラッグにて自社IPの企画開発やコンテンツ投資を担当。

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