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ゲームの「熱狂」はどう作る?デジタルで広げて、リアルの場で心をつかめ!見直すべきOMO戦略

概要

ゲームの「熱狂」はどう作るのか?情報が溢れ、消費スピードが加速する今だからこそ、あえて「手間のかかるリアルな体験」が唯一無二の価値を持ちます。

オンラインでの認知を「好きの定着」へと昇華させ、プラットフォームの変化に負けない強固なビジネスモデルを構築するためのOMO戦略。ファン心理をくすぐる演出から、SNSでの話題化、そして離脱防止に繋がるコミュニティ形成まで、ゲームの「熱量」を最大化させるための秘訣を解き明かします。

目次

はじめに

年々市場を拡大するゲーム業界では、絶えず新作が話題を集めています。現代において、SNSや広告を通じた情報拡散は、プロモーションの基本戦略となっています。

しかし、数えきれないほどのゲームがある中で、ファンに「長くプレイしたいゲーム」と思ってもらうには、オンライン上での認知獲得だけでは足りないことがはっきりしてきました。
今、世界を熱狂させているタイトルの裏側にあるのは、デジタルとリアルを融合させた「OMO(Online Merges with Offline)」プロモーションです。なぜ今、デジタルだけではなくリアルな体験が重要なのか。ヒット事例とともに解説します!

「情報の拡散」と「好きの定着」

オンラインとオフラインそれぞれの役割

オンラインとオフラインでは、ユーザーに与えるインパクトの性質が根本的に異なります。

・オンライン(拡散の爆発力):SNSは、情報を一瞬で数百万人に届ける「広さ」に長けていますが、一方で、情報が消費されるスピードも速く、記憶に長く残りづらいという欠点があります。

・オフライン(感情の深化):リアルイベントやOOH(屋外広告)は、五感(視覚、聴覚、時には触覚や場所の空気感)を通じて「深さ」を提供します。「あの時、あのアリーナで感動した」「巨大な広告を見てワクワクした」という体験は、ユーザーを強固なファンへと変貌させます。

オンラインで「知っている」状態を作り、オフラインの感動体験で「好き」へと定着させるサイクルが、時代に左右されない強固なコミュニティの核となります。

事例:『スプラトゥーン3』

(引用:PR TIMES

期間限定イベント「フェス」を軸に、オンラインの拡散力とオフラインの体験価値を融合。オンラインでの対戦配信やSNSでの勢力宣言で「お祭り騒ぎ」を創出しつつ、オフラインでは音楽ライブや公式大会を開催し、キャラクターが目の前で歌い踊る臨場感を「記憶」として定着させています。

公式アプリを介しリアル会場での行動をゲーム内報酬へ還元する仕組みも盤石で、仮想と現実の境界を越えた独自の文化圏を築き上げ、熱狂的なファンを集めています。

リアルな体験はUGCの最高の「燃料」

SNSでの拡散で話題化を狙う

現代のプロモーションにおいて、運営からの広告以上に価値があるのが、ユーザーが自発的に発信するSNS投稿(UGC)です。

オフライン施策(フォトスポット、限定グッズ、コラボカフェ等)は、ユーザーにとって「人に見せたい」と思わせる、最高の「発信のネタ」になります。

リアルイベントで撮影された写真や動画がSNSに流れることで、それを見たオンライン上のユーザーに「このゲーム、盛り上がっているな」という社会的証明を与え、新規流入や休眠層の復帰を促す話題性をつくり出すことができるのです。

事例:『SILENT HILL f』(東京ゲームショウ2025)

(引用:SILENT HILL

東京ゲームショウ(TGS)の際、作中の不気味な残置物を設置したブースを展開し、象徴的なクリーチャー「アヤカカシ」が登場するリアルな演出が話題を呼びました。来場者が撮影した写真や動画はリアルタイムでSNSを席巻。

TGSでの「リアルの恐怖体験」とSNS上の「視覚的インパクト」が連動し、ホラー特有の没入感をコミュニティ全体で共有・拡散させる成功例となりました。

コミュニティの「実在感」による離脱防止

仲間の存在で「オワコン感」を払拭する

オンラインゲームにおいて、ユーザーが離脱する最大の理由は「飽き」や「オワコン感」です。

ファンミーティングやeスポーツ大会といったオフラインの場は、ユーザーに「自分以外にもこんなに多くの仲間がいる」というコミュニティの実在感を提示することができます。

同じ熱量を持つファン同士が交流することで、ゲーム外での人間関係が構築され、「友達がいるからゲームを続けよう」という強力な継続モチベーションに繋げることができるのです。

事例:『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』

(引用:ファイナルファンタジーXIVファンフェスティバル

ローンチから15年以上(新生FF14としては12年以上)が経過した今なお、オフライン施策を軸にコミュニティの「実在感」を更新し続け、驚異的な長期稼働を実現。数年おきに開催される「ファンフェスティバル」では、東京ドーム規模の巨大会場に数万人が集結し、開発秘話の披露、作中楽曲のピアノ生演奏、コラボ料理の提供など、五感を揺さぶる体験を徹底しています。

この「同じ世界を愛する仲間が実在する」という圧倒的な光景が、オンライン上の繋がりに強固なリアリティを与え、既存ユーザーの離脱を抑えています。

マーケティングの精度向上とビジネスモデルの多角化

多角的なデータ連携で、成果を次の施策に活かす

オンラインとオフラインを連動させることで、ユーザーの行動をより深く理解できるようになります。

データ連動の中で「Webで予約してリアルイベントに来場したユーザー」のゲーム内行動データを分析することで、どのような層が熱狂的なのかを特定し、次の施策に活かせます

また、収益を分散させ ゲーム内課金(オンライン)だけでなく、イベントチケットやグッズ販売(オフライン)という多角的な収益源を確保することで、プラットフォームの規約変更やトレンドの変化に強いビジネス構造を作ることができます。

事例:『原神』

(引用:原神(Genshin)公式

公式コミュニティアプリ「HoYoLAB」を中核に据え、オフラインの行動をデジタルの価値へ変換する連動を実現。リアルイベント会場でのチェックインやスタンプラリーの記録は、HoYoLABを通じて即座にアカウントへ紐付けられ、限定フレームの取得や実績として蓄積されます。

これにより、オフラインの体験を、単なる思い出ではなく、ユーザー自身の「アカウント資産」として蓄積させる仕組みを構築しました。

「手間がかかること」こそ、ファンのためにやるべきこと

リアルイベントの開催には、デジタル広告よりもずっと多くの手間とコストがかかります。しかし、情報が溢れかえっている今だからこそ、その「ひと手間」をかけた体験が、ユーザーにとって唯一無二の価値になります。オフラインをゴールにするのではなく、オンラインでファンに発信してもらうための「燃料」にする。

「デジタルで広く出会い、リアルで深く好きになってもらう。そしてその熱をさらにデジタルで発散してもらう」。

この循環こそが、ゲームマーケティングにおいてファンを熱狂させ続けるために必要なスキームだと考えています。

おわりに

私たちは、ファン心をくすぐるような映像企画から、SNSで話題になるリアルイベントの演出まで、ゲームの「熱量」を高めるお手伝いをしています。

「タイトルの熱量をもう一段階引き上げたい」「ファンに長く楽しんでもらうための企画を実施したい」とお考えの際は、お気軽にご相談ください。ぜひ、貴社のコミュニティを一緒に盛り上げていきましょう。


鈴木 夏実

2015年11月入社。
エンタメ企業から一般企業まで幅広い企業でソーシャルメディアを主軸としたプロモーションやブランディングの経験を積み重ね、2021年よりマネージャーに就任。
特にインフルエンサー企画においては、これまでに多数のキャスティング実績があり、企業とインフルエンサーを繋ぎ、双方の想いに寄り添った提案を心がけている。

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