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【特別コラム:映画レビュアーインフルエンサー 茶一郎が執筆!】2,187人が選んだ「2026年新作映画」最も期待する作品ランキング

概要
今回のコラムは特別版!映画作品のプロモーションを多数手がけるフラッグが、「映画レビュアー インフルエンサー」として活躍し、昨年は257本もの作品を鑑賞した茶一郎さんに執筆を依頼。
映画好きが多い茶一郎さんのフォロワーへのアンケート結果から、「2026年最も期待している新作映画」ランキングを作成。ランキング上位作品の見どころや注目ポイントを解説いただきました。
第一弾はこちら:加速する「映画のショート動画化」と、いま「優しさ」がパンクになる理由は?映画業界の現状と今後を考察
目次
- 視聴者が選ぶ「2026年公開 新作映画」期待度ランキング
- “傑作”ぞろいのアカデミー賞®作品賞ノミネート作品
- 陰謀論という名の「鏡の世界」とどう向き合うか|『ブゴニア』
- 重厚な家族への洞察と「地獄」を塗り替える温かな視線|『センチメンタル・バリュー』
- 卓球の往復運動が描き出す、生の躍動|『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
- 長回しの先に現れる“聖なる映画”の奇跡|『ハムネット』
- ヒーロー映画の復権なるか!?3作品がトップ10にランクイン
- 新時代のスーパーガールは、アウトローなアンチヒーロー|『スーパーガール』
- ゼロから再出発する、スパイダーマンの物語|『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』
- ランキング1位に輝いた、”絶対に失敗できない”期待作|『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』
- 洋画SF大作の数々が、2026年を盛り上げる
- 実質的な『未知との遭遇』続編|『ディスクロージャー・デイ』
- 全映画ファンが期待する、名コンビによる最新作|『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
- SF小説の金字塔が、遂に最終章へ|『Dune: Part Three(原題)』
- 映画体験の新次元へ
- 劇場での鑑賞体験が、映画の未来を創っていく
- さいごに
視聴者が選ぶ「2026年公開 新作映画」期待度ランキング

◼︎アンケート実施期間:2025年12月29日(月)〜2026年1月2日(金)
◼︎有効票数:2,187
◼︎投票方法:オンライン。お一人様一票にて集計。
ここからは、ランクインした作品の中で気になった作品を「アカデミー賞®作品賞ノミネート作品」「ヒーロー映画」「SF作品」の3つに分類し、注目ポイントを解説します。
“傑作”ぞろいのアカデミー賞®作品賞ノミネート作品
いま映画ファンが最も注目しているのは、3月に授賞式を迎える第98回アカデミー賞®の行方だ。昨年、心を揺さぶったポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』(12部門13ノミネート)や、ライアン・クーグラーによる『罪人たち』(最多16部門ノミネート)が傑作だったのは言うまでもない。
2026年公開の作品賞ノミネート作品にはさらに作家性の強い作品が続き、視聴者投票でも上位にランクインした『ブゴニア』(同率6位・76票)、『センチメンタル・バリュー』(同率6位・76票)、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(8位・70票)、『ハムネット』(20位・24票)には、多くの映画ファンが強い期待を寄せている。
陰謀論という名の「鏡の世界」とどう向き合うか
『ブゴニア』(2月13日公開/同率6位)
韓国のカルト映画『地球を守れ!』を原作とし、製作にアリ・アスター、監督にヨルゴス・ランティモスという強烈な布陣が名を連ねる本作。エマ・ストーン演じる製薬会社のカリスマCEOが、「お前は地球を征服しようとしている宇宙人だ」と信じ込む男たちに誘拐されるところから物語は動き出す。
陰謀論者を怪演したジェシー・プレモンスは、役作りの際、ナオミ・クラインのノンフィクション『ドッペルゲンガー──鏡の世界への旅』を参考にしたという。本作はその書籍同様、決して彼らを単なる異常な他者として切り捨てはしない。“正しさ”が霧散した現代において、私たちはどう対話を続けるべきか。その衝撃の結末は、劇場で確かめてほしい。
重厚な家族への洞察と「地獄」を塗り替える温かな視線
『センチメンタル・バリュー』(2月20日公開/同率6位)
第94回アカデミー賞国際長編映画賞と脚本賞にノミネートされた『わたしは最悪。』で世界を魅了したヨアキム・トリアーの最新作。映画監督である父を拒絶する俳優の主人公が、皮肉にもその父が撮る「家族」をモデルにした映画の主役に抜擢される。映画作りという創作行為がどのように現実に影響を与えるのかというサブテーマを扱いながら、本作はじっくりと一度、崩壊した家族への考察を続けていく。
トリアー監督が向ける眼差しが温かく、若手監督のようなポップな感性と、巨匠のような重厚な洞察力が共存する稀有な傑作だ。
卓球の往復運動が描き出す、生の躍動
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(3月13日公開/8位)
今、ハリウッドで最も勢いのある俳優の一人であるティモシー・シャラメが主演を務める本作。1950年代のアメリカを舞台に、ある卓球選手がいかにして自分の人生と向き合うかを描く傑作だった。監督を務めたジョシュ・サフディが今まで弟ベニーと撮っていた秀作『グッド・タイム』、『アンカット・ダイヤモンド』で見せた観客に息つく暇も与えない疾走感溢れる映像体験がさらに加速している。
ピンポン玉の素早い往復運動と、人生を右往左往する主人公の感情が激しく共鳴し、スクリーンからは「感情の生モノ」としか言いようのない凄まじいエネルギーが放たれる。スポーツ映画の快感と、一人の男の再生賛歌が融合した、力強いエンターテインメントだ。
長回しの先に現れる“聖なる映画”の奇跡
『ハムネット』(4月10日公開/20位)
すでに第93回アカデミー賞で作品賞と監督賞を獲得した『ノマドランド』のクロエ・ジャオが、マーベル・シネマティック・ユニバース作品(以下、MCU)の『エターナルズ』を経て、シェイクスピアの妻アグネスの視点から、演劇『ハムレット』誕生の裏側を描く。
ジャオ監督は、徹底した日常の「静止」と、息を呑むような長回しによって観客を映画的な瞑想へと誘う。その静寂を突き破るように訪れるラストシーンと、それに続く圧倒的な癒やし。ジェシー・バックリーが体現する「母としての喪失と受容」の演技は、もはや演技を超えて、目の前で“奇跡”が起こっているかのような「映画的奇跡」を現出させていた。観る者の魂を浄化する、至高の映画体験がある。
ヒーロー映画の復権なるか!?3作品がトップ10にランクイン
近年のヒーロー映画を巡る状況は、苦戦が続いていた。観客はマルチバースという複雑な設定に疲れ、物語を見失いかけている。その停滞感を打ち破ったのが、昨年のジェームズ・ガン版『スーパーマン』だった。彼が示したのは、特殊能力の誇示ではなく、他者を信じる「優しさ」というあり方だった。(詳細はこちらのコラムをご参照ください。)
新時代のスーパーガールは、アウトローなアンチヒーロー
『スーパーガール』(夏公開/10位)
ジェームズ・ガンが監督を務めた『スーパーマン』、ドラマ『ピースメイカー シーズン2』に続く、DCユニバースの最新作。ジェームズ・ガン曰く、これまでのスーパーガール像を覆す、過酷な環境で育った少女のSFスペース・アドベンチャーになるとの事だ。
監督は『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『クルエラ』など、アウトローな女性像を描いてきたクレイグ・ギレスピーが務める。『スーパーマン』から映画ジャンルを一変し、主演のミリー・アルコックが体現する「怒りと気高さを抱えた新世代のヒーロー」が、新世代のDCユニバースを象徴する一本になる事が期待される。
ゼロから再出発する、スパイダーマンの物語
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(夏公開/5位)
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の後、全世界からピーター・パーカー(スパイダーマン)の記憶が消え、孤独な“親愛なる隣人”がゼロから再出発する姿を描く本作。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で繊細な演出力を見せたデスティン・ダニエル・クレットンが監督を務め、マーク・ラファロ(ハルク=ブルース・バナー役)、ジョン・バーンサル(パニッシャー役)ほかMCU作品の豪華キャストの参戦が決定している。等身大の若者の苦悩と再起を描く、フレッシュな原点回帰が期待できる一本だ。
ランキング1位に輝いた、”絶対に失敗できない”期待作
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(12月18日公開/1位)
視聴者投票で栄えある第1位に輝いたのは、今年最大の期待作である本作だ。これまでのMCUを牽引してきたロバート・ダウニー・Jr.が、今度はアイアンマンではなく、悪役「ドクター・ドゥーム」として帰還する。
すでに『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』や20世紀スタジオの「X-MEN」シリーズからのキャラクター参戦が決まっており、ヒーロー映画ジャンルそのものの再定義を賭けた“絶対に失敗できない”一本の様相を呈している。
洋画SF大作の数々が、2026年を盛り上げる
今年は壮大な世界観とビジョンを持ったSF大作も公開を控えており、ランキングでは上位にランクインした。
実質的な『未知との遭遇』続編
『ディスクロージャー・デイ』(夏公開/11位)
スティーヴン・スピルバーグ監督による”未知との遭遇”をテーマにした最新作。詳細は不明だが、公式のあらすじにある「もし、我々が宇宙で孤独ではないと知ったら?」というフレーズは、『未知との遭遇』のキャッチコピー「We are not alone/宇宙にいるのは われわれだけではない」と重なる。
ファンの間では「実質的な続編なのではないか」と熱い視線が向けられている。現代の映像技術でスピルバーグが再び、SF作品を、「宇宙と人類の対話」をどう描くのか、その期待値は計り知れない。
全映画ファンが期待する、名コンビによる最新作
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(3月20日公開/3位)
『オデッセイ』の原作者アンディ・ウィアーによるSF小説を、ライアン・ゴズリング主演で映画化。記憶を失い宇宙船で目覚めた男が、科学の知識を武器に絶望的なミッションに挑む。
監督はアニメ「スパイダーバース」シリーズの脚本で知られるフィル・ロードとクリス・ミラー。名コンビによる最高のコメディ作品『22ジャンプストリート』以来、実写映画の監督に復帰するというだけで、全映画ファン必見の一本だ。孤独な宇宙で育まれる異種間との「友情」の物語は、今の時代にこそ必要な温かさを持っている。
SF小説の金字塔が、遂に最終章へ
『Dune: Part Three(原題)』(12月全米公開/12位)

『風の谷のナウシカ』に多大な影響を与えたことで知られるフランク・ハーバートのSF小説の金字塔『デューン/砂の惑星』の続編『デューン/砂漠の救世主』を原作とする映画「デューン」三部作最終章。
原作に準ずるならば、本作は前作で築き上げた主人公ポールの「英雄譚」を解体する挑戦的な終幕となることが予想される。また本作は北米で『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』と同日公開になることが報じられており、映画史に残る興行の大激突が予想される。
映画体験の新次元へ
劇場での鑑賞体験が、映画の未来を創っていく
2022年の『トップガン マーヴェリック』が137億円という数字を叩き出して以来、日本の実写洋画にとって「興行収入100億円」は高い壁となってしまった。特に2024年の歴史的な低迷を経て、私はかつてのような洋画の熱気を切望している。しかし2026年のラインナップは、たとえ100億円突破は無理でも、その空白を埋めようとする十分な勢いを感じる。中でもランキング第二位のクリストファー・ノーラン監督最新作『オデュッセイア』は、私が最も期待している一本だ。
ホメロスによる同名の叙事詩を原作とする本作は、世界初の全編IMAXカメラで撮影されており、最新技術で古代ギリシアの壮大な物語を蘇らせる、まさに「映画館で体験すべき」一本だ。クリストファー・ノーラン監督が守り続けてきた「映画体験」の純度が今年の映画興行の希望となるのか。
好きな映画があったら、映画館に観に行ってくださいということです。それは民主主義です。
今から2年後、3年後、あなたがどんな映画を観られるのかは、今購入する鑑賞券という投票にかかっているのです。
── ギャレス・エドワーズ監督
ギャレス・エドワーズ監督の言葉は2023年のもので、残念ながらすでに“投票期間”は終わっている。それでも映画の未来を担うのは、劇場の暗闇に座り、その作品を支持した私たち一人ひとりの「一票」に他ならない。
さいごに
以上、映画レビュアー 茶一郎さんによる特別コラムをお届けしました。第一弾もぜひあわせてご覧ください!

第一弾はこちら:加速する「映画のショート動画化」と、いま「優しさ」がパンクになる理由は?映画業界の現状と今後を考察
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茶一郎
総フォロワー数82,000人超の映画レビュアーインフルエンサー。
情熱的な映画レビューと独自の視点で、多くの映画ファンに支持されている。
XやInstagramで最新の映画情報を発信し、FilmarksやYouTubeでも活動中。


