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2026年、SNSマーケティングは「耳」で差がつく。声の魅力を活用する「没入型」音声戦略とは

概要
生成AIの普及により高品質な画像や動画が溢れかえる今、次なるブルーオーシャンとして注目されているのが「聴覚(音や声)」の活用です。
本コラムでは、成功事例を交えながら、なぜ今「AI音声」ではなく「プロの声優」が熱狂的なバズを生み出すのか、その理由と実践ノウハウを数多くの統合プランニング実績を持つプランナーが徹底解説します!
目次
- はじめに:視覚は「レッドオーシャン」、聴覚は「ブルーオーシャン」
- 「視覚情報」の海の中、可能性を秘めた「聴覚情報」
- SNSでも証明される、音声コンテンツ市場の影響力
- なぜ“画”より“声”なのか? ~1.7倍の記憶力と3倍の成果~
- 理由1. 聴覚情報の記憶定着率の高さ
- 理由2. 人間の聴覚能力「カクテルパーティー効果」
- 数字が実証する音声コンテンツの成果
- アニメやゲームだけじゃない。一般商材にこそ「音」が効く
- 事例1. KFC「パリパリ旨塩チキン」プロモーション
- 事例2. 森永製菓のチョコアイス「パキシエル」プロモーション
- 事例3. サントリー「オールフリー」プロモーション
- なぜ今、AI音声ではなく「声優」なのか?
- 1. AIには作れない「熱量」と「没入感」(機能的価値)
- 2. ファン層の圧倒的な「拡散力」(情緒的価値)
- 3. 一般商材との「ギャップ」(話題性)
- おわりに:「音」を起点に、ファンとブランドをつなぐ
はじめに:視覚は「レッドオーシャン」、聴覚は「ブルーオーシャン」
「視覚情報」の海の中、可能性を秘めた「聴覚情報」
私たちのスマートフォンは、かつてないほどの「視覚情報」が溢れかえっています。
生成AIによって誰もが簡単に高品質な画像を生成できるようになり、派手なエフェクトや秒単位で切り替わるショート動画が洪水のように流れてくる「レッドオーシャン」となっています。「視覚的な情報」だけでユーザーのスクロールを止めることは、日に日に難しくなっていることを実感している人も多いのではないでしょうか。
しかし、視点を「目」から「耳」へとずらしてみると、まだまだ大きな可能性が広がっています。 「SNS動画は音なし(ミュート)で見られる」ことも多かったのは今は過去の常識となりました。
SNSでも証明される、音声コンテンツ市場の影響力
聴覚へのアプローチは、SNSの動画視聴の効果にも表れています。
TikTokユーザーの約90%、Instagramのリール動画においても80%以上のユーザーが「音あり」で視聴しているという実態があります(引用:Vidico)。ワイヤレスイヤホンを常につけることが当たり前となった今、「聴覚」こそが、2026年のマーケティングにおける「ブルーオーシャン」と言えるのではないでしょうか。
なぜ“画”より“声”なのか? ~1.7倍の記憶力と3倍の成果~
では、なぜ「音」を加えるだけで、マーケティング効果が変わるのでしょうか?
理由はシンプルに言うと、「目よりも耳のほうが、脳に深く届くから」です。
理由1. 聴覚情報の記憶定着率の高さ

まず、記憶への残りやすさが違います。 人間は、ただ映像を見るよりも、同時に「声」で情報を聞いたほうが、記憶への定着率が約1.7倍も高まると言われています。
文字を読むのは疲れますが、耳から入る言葉はスッと頭に入ってくる。この「楽に伝わる」という点が、情報過多なSNSでは最大の武器になります。
理由2. 人間の聴覚能力「カクテルパーティー効果」

次に、「つい振り向いてしまう」強制力です。 騒がしい場所でも、ふと知っている人の声や、魅力的な声が聞こえると、自然と意識が向いてしまいます(カクテルパーティー効果)。
これはSNSでも同じです。流れてくる大量の投稿の中で、機械的な音ではなく「人の声」による語りかけは、本能的にユーザーの指を止めさせます。
数字が実証する音声コンテンツの成果
実際、その効果は数字にも表れています。
あるYouTube広告の事例では、ナレーションを入れた動画は、入れなかった動画に比べて成果(コンバージョン率)が約3倍になったというデータもあります(引用:Infinity Agent Lab)。
「きれいな映像」だけでは伝わりきらない商品の魅力やニュアンスを、声が補完し、ユーザーの背中を押す。「音」は単なるBGMではなく、成果を出すための重要なファクターになりえます。
アニメやゲームだけじゃない。一般商材にこそ「音」が効く
「音を活用したマーケティング」と聞いて、まず思い浮かぶのはASMR(聴覚への心地よい刺激)ではないでしょうか。
特に食品業界においては、咀嚼音や調理音といった「シズル感」を、視覚以上にダイレクトに脳へ届ける手法として定着しています。
事例1. KFC「パリパリ旨塩チキン」プロモーション

「パリパリ旨塩チキン」のプロモーションで、チキンを食べる「パリパリ音」が脳に与える影響を検証。その結果、音あり視聴時は脳の前頭葉の血流量が増加し、食欲が増進されることが判明しました。
この「音」にフォーカスした動画戦略により、想定の1.5倍の売れ行きを実現し、「音」が購買意欲を刺激することを証明しました。
事例2. 森永製菓のチョコアイス「パキシエル」プロモーション
しかし今、このASMR的な快感に加え、さらに強い「没入感」と「話題性」を生む手法として注目されているのが、プロの声優による「演技」の活用です。
アニメやゲーム、キャラクターといったIP以外の一般商材であっても、声優の表現力が加わることで新たな価値が付加されます。
その象徴的な成功事例が、森永製菓のチョコアイス「パキシエル」です。

森永のチョコアイス「パキシエル」のブランドプロモーションでは、あえてキャラクターのイラストを使わず、「声」だけでアイスを擬人化しました。
人気声優の江口拓也さん、斉藤壮馬さんが、濃厚なチョコ味とさっぱりしたバニラ味の特徴を「声の演技」だけで表現。テレビCMを一切うたず、SNSを中心にネット上で「音」にフォーカスした結果、「耳が幸せ」とSNSで話題になり、販売量が5年前の2.6倍に拡大しました。
視覚情報がなくとも、プロの声だけでブランドの世界観を作れる好例となりました。
事例3. サントリー「オールフリー」プロモーション

毎日ラーメンをすする「毎日ラーメン健康生活」を送るインフルエンサーのSUSURUさんをアニメ化し、オールフリーと共に味わう「深夜のラーメンの誘惑」をテーマに映像が制作されました。ここではレジェンド声優の山寺宏一さんを起用し、冷蔵庫を開ける音、缶を開ける音、ラーメンをすする音など、20種類以上の効果音(SE)をすべて山寺さんの「声」だけで再現する企画を実施。「これ全部声なの?」という驚きと、「山寺宏一の使い方」というユニークな切り口、プロの超絶技巧が、SNSでの爆発的な拡散を生み出しました。
単なるナレーションではなく、声優の技術そのものを「コンテンツ」として昇華させることで、商品への注目を一気に高めた事例です。
なぜ今、AI音声ではなく「声優」なのか?
生成AIの技術進化により、ナレーションを自動生成することは容易になりました。コストも安く、修正も簡単です。では、なぜ今あえて、コストをかけてまで「プロの声優(人間)」を起用する必要があるのでしょうか?
その理由は、AIにはまだ模倣できない3つの「人間ならではの価値」にあります。
1. AIには作れない「熱量」と「没入感」(機能的価値)

AI音声は「情報を正確に読み上げる」ことには長けていますが、「感情を揺さぶる」ことには限界があります。 プロの声優は、わずかな間の取り方、息遣い、声のトーンの変化で人を引き込む技術を持っています。
「美味しい」という言葉一つでも、AIなら平坦に読み上げるところを、プロは吐息や抑揚をつけて表現することができます。この微細な演技の差が、ユーザーを動画の世界観へ引き込み、視聴維持率(没入感)を劇的に高めるのです。
2. ファン層の圧倒的な「拡散力」(情緒的価値)

推し活を含めた声優ファン層の熱量は、他のインフルエンサーと比較しても非常に高いのが特徴です。彼らにとって、推しが出演するコンテンツは「広告」ではなく「コンテンツ」として受け入れられます。
そのため、広告であっても嫌悪感を持たれにくく、むしろ「推しの声を起用してくれてありがとう」という感謝の文脈で、好意的なリポストや拡散が行われます。この自発的な拡散力は、AI音声には決して生み出せない現象です。
3. 一般商材との「ギャップ」(話題性)

前述のサントリーや森永製菓の事例のように、一見アニメとは無縁な「お堅い企業」や「日常的な食品」に、誰もが知る「声優の声」が乗ること自体が、SNS特有の「違和感」を生みます。
「なぜここでこの声?」「無駄にいい声すぎる(笑)」といったツッコミや拡散の隙を作れるのは、キャラクター性の強いプロの声優だからこそです。このギャップこそが、バズの起点にもなりえます。
おわりに:「音」を起点に、ファンとブランドをつなぐ
「音」や「声優」の力が強力であることは理解できても、いざ自社で実践しようとすると難しいと感じると思います。
「誰をキャスティングすれば、自社商品とマッチするのか?」 「事務所との複雑な権利交渉はどうすればいいのか?」 「ただ声をあてるだけでなく、バズる企画をどう作るか?」
こうした課題をワンストップで解決するために、フラッグ、X社、声優事務所と共同開発した広告パッケージを提供しています。

長年、映画・エンタメ業界のプロモーションを手掛けてきた知見と、エンタメに圧倒的な熱量を持ったプランナーを多く抱えるフラッグだからこそできる、単なるキャスティング代行にとどまらない、「文脈づくり」からサポートします。
商品の魅力を引き出す最適な声優の選定はもちろん、ファン心理を深く理解した「嫌われない、愛される企画立案」、そして没入感を高める高品質な動画制作までを一気通貫で実施しますので、ぜひお気軽にご相談ください!

蛯谷 颯一郎
デジタルマーケティング事業部 戦略コンサルティング部
前職のPR会社でのSNSプランナーを経て、フラッグにてクライアントのデジタルマーケティングの戦略設計やプロモーション施策をオンライン、オフラインを横断した統合的な企画を担当。
特に映画や漫画、アニメ、ゲームなどのエンタメ領域の知見を活かした企画を得意とする。


