映画『ファッション・リイマジン』公式サイト 9月22日(金)公開

出演:エイミー・パウニー(Mother of Pearlデザイナー)、クロエ・マークス、ペドロ・オテギ 
監督:ベッキー・ハトナー
2022年|イギリス|英語|カラー|ビスタ|100分|
日本語字幕:古田由紀子|原題:Fashion Reimagined
©2022 Fashion Reimagined Ltd
配給:フラッグ 宣伝:フラニー&Co.映倫G

地球を壊さず、常識を壊した

絶賛公開中

VOGUE新人賞のデザイナーが立ち上げたのは、業界を変える革新的サステナブル・コレクション——その驚きの旅へようこそ!

美しく、衝撃的で感動的!

―― The Daily Telegraph

すべてのファッション好きと
ファッション・ブランドが観るべき作品!

―― The Times

この映画はあなたに衝撃を与え、
インスピレーションを与え、
そして魅了するでしょう。
ファッション業界だけでなく、
服を着る人すべてに観て欲しい。

―― The Guardian

デニムに使われる綿花の
産地を特定することが、
アガサ・クリスティの小説のように
複雑に入り組んでいるなんて、
誰が想像できただろう?
デザイナーが新しいファッション・
ラインを完成させるための
紆余曲折は、もはやサスペンスフル!
VOGUEのページをめくるのが
好きな人なら、この映画を観て、
文字通り目を見張るだろう。

―― In Their Own League

この映画は、
環境ドキュメンタリーにありがちな
環境汚染企業に関する
「暴露話」ではない。
エイミーが直面する困難と同時に、
彼女がブランドのビジネスモデルを
変えていくまでの
成功への道のりを描いている。

―― Thursday Matinee

私たちの行動変容への
意識を喚起させると同時に、
誰もが楽しめる
エンターテイメントな作品!

―― Backseat Mafia

ロンドン・ファッション・ウィークの様子

イギリス発、異端のデザイナーが
「世界を変える」までの挑戦と情熱に満ちた
等身大ドリーム・ストーリーが誕生!

INTRODUCTION

イギリスのブランド《Mother of Pearl》のデザイナー、エイミー・パウニー。彼女は2017年4月、VOGUEの新人賞を受賞し、10万ポンドの賞金を得て、自分の生き方のルーツにつながるサステナブルなコレクション《No Frills》を立ち上げることを決意する。
コレクションデビューした《No Frills》はロンドン・ファッション・ウィーク唯一のサステナブル・ブランドとして大注目を浴び、業界は一気に変革! その注目はマスコミだけに留まらず、当時皇太子だったチャールズ英国王が企画したキャンペーン・フォー・ウールの10周年記念スカーフのデザインを依頼されるまでに発展する。
しかし、そのコレクションデビューの裏には、発表まで18ヶ月というタイムリミットの中、さまざまな困難に遭い、地球の裏側まで旅をすることになったエイミーとチームの、たくさんの出会いと挑戦の物語があった──。
時に凹み、迷いながらも、理想の素材を求めて地球を飛び回る《等身大のドリーム・ストーリー》が誕生!!

ファッション業界にまつわる衝撃の現実

  • 1980年代と比較して、人々は3倍以上の服を購入。
  • 毎年、千億もの服が作られ、
    その5分の3が、購入した年に捨てられる。
  • ファッション業界を国に例えると、
    その二酸化炭素排出量は、中国、アメリカに次いで世界第3位。

地球上で最も環境に悪い産業の一つとされるファッション業界も、《Mother of Pearl》のようなラグジュアリー・ブランドが変わることによって、業界全体の変化が加速している!

“旅する”デザイナーの
ファッション・ロードムービー

監督は、ロンドン・ファッション・ウィークを17シーズンに渡って取材し、ファッションやカルチャーのドキュメンタリー映画で賞も受賞しているベッキー・ハトナー。3年もの間、エイミーに密着し、ウルグアイやペルー、オーストリアといった国へ一緒に飛び、カメラを回し、コレクション完成までの道のりを旅感溢れるロードムービーとして完成。観客を、地球の今を知る驚きと発見に満ちた旅へと誘う。

ABOUT MOTHER OF PEARL

《Mother of Pearl》は、現代アーティスト、ダミアン・ハーストの妻だったマイア・ノーマンによって2002年に設立。パーソンズ美術大学パリ分校出身のマイアは、そのコネクションを生かし、シーズン毎に様々なアーティストとコラボレーションしたコレクションを展開。フレッド・トマセリやキース・タイソンといったトップアーティストと組んで人気を博す。
2015年、エイミー・パウニーがクリエイティブ・ディレクターに就任。
2019年、《No Frills》を発表してからは、サステナビリティをテーマに様々な団体や企業とコラボレーション。その中には、チャールズ皇太子(当時)がサポートしているキャンペーン・フォー・ウールや、BBC Earthなどもある。

エイミーとクロエ
ロンドン・ファッション・ウィークの様子

STORY

2017年4月、英国ファッション協議会とVOGUEによって、その年の英国最優秀新人デザイナーに選ばれたエイミー・パウニーは、賞金の10万ポンドで《Mother of Pearl》をサステナブルなブランドへと変えることを決意する。
当時ファッション業界は大量消費の真っ只中で、サステナビリティはニッチなトピックだった。
原材料から製造過程まで、すべてにおいてサステナブルなコレクションは、「No Frills(飾りは要らない)」と名づけられる。コレクションの発表は、2018年9月のロンドン・ファッション・ウィーク。準備期間はわずか18ヶ月!
理想の原材料を求めて、ヨーロッパの裏側、ウルグアイ行き着いたエイミーと商品担当のクロエ。そこで、理想的な環境の羊毛業者に出会う。責任者のペドロの人柄と誠実さにすっかり魅了された二人は、ペドロの羊毛を扱う紡績工場探しに奔走する!
やっとペルーの会社が見つかり、デザインを始めるエイミー。しかし、発表まであと3ヶ月のところで、ペルーの会社が降りるという連絡が入る。クロエは必死に引き留めるが……果たして、無事にコレクションは発表できるのか?

『ファッション・リイマジン』場面写真

CHARACTER

STAFF

ベッキー・ハトナー 監督・プロデューサー

カナダ、トロント出身。ダック・プロダクションズでファッションやカルチャーの短編映画の制作に携わり、ナショナル・ギャラリーのためにアートにおけるジェンダー・ギャップをテーマにしたシリーズ「Painting Her Story(原題)」などを制作。また、ロンドン・ファッション・ウィークの公式取材を17シーズンにわたって担当している。
長編映画デビュー作となる本作は、トライベッカ映画祭に正式出品され、バンクーバー国際映画祭では最もポピュラーな環境映画賞を受賞したほか、グアム国際映画祭においても最優秀ドキュメンタリー映画賞、ベスト・フェスティバル賞などを受賞している。

PRODUCTION NOTE

VOGUEの新人賞がきっかけとなった映画制作

2017年、当時ダック・プロダクションズでブランドのキャンペーンやイベントの映像制作を手掛けていたハトナーは、VOGUEのデザイナー・ファッション・ファンドの撮影で、その年の受賞者であるエイミーと出会う。
その後エイミーと食事をし、賞金でサステナブルなコレクションを作りたいという話を聞いたハトナーは、彼女の挑戦を追ったドキュメンタリー映画を撮ることになる。
しかし、ゼロから立ち上げるプロジェクトを追ったドキュメンタリーの制作はリスクも大きかった。それにも関わらず、映画制作を決めた理由は「エイミーの何かに向かって突き進む精神力にインスピレーションを受けたからでした」と、ハトナーは述懐する。「20代後半で《Mother of Pearl》のクリエイティブディレクターとして活躍していた裏にあるエイミーの努力と根性は、必ずこの大きなプロジェクトを成功させるだろうと信じ、彼女の旅に引っ張られていったのです」と、ハトナーは後に語っている。

《No Frills》の革新性とファッション業界の変化

12年前、エイミーの関心はすでにサステナビリティにあった。キングストン大学での彼女の卒業制作のテーマは持続可能性で、エコ素材のニットを発表したが、教授たちは当惑していたという。
新人賞を受賞した2017年でも、サステナビリティはニッチなトピックだった。猛スピードで新作を発表し、大量消費を促すファッション業界において、サステナビリティは相反する概念とされていた。ファッションを楽しみながら持続可能な未来を創る――相容れない2つの考えを両立させようとするエイミーは、自分自身を“異端者”だと見ていた。
しかし、材料から製造過程にいたるすべてにおいてサステナブルなコレクション《No Frills》が発表されると、革新性が話題となり、業界内でも爆発的にサステナビリティへの意識が高まっていく。《No Frills》は、その年のロンドン・ファッション・ウィークで発表された唯一のコレクションであった。
エイミーのサステナビリティへの取り組みもまた、ブランドという枠を超え、レンタルやアップサイクル、修繕を推奨するキャンペーンや、BBC、チャールズ皇太子(当時)とのコラボレーションへと発展していく。

エイミーとVOGUE編集長アナ・ウィンター
《No Frills》コレクション画像
《No Frills》コレクション画像

エイミーの価値観のルーツ

エイミーは、環境活動家の両親のもと、イギリスの片田舎で、家の井戸から水を汲み、父親が作った風力発電機から電力を得るという、オフグリッドな環境で育った。アートをやりたいと思っていた少女は、高校を卒業すると、ファッションを学ぶためにロンドンの大学に進学する。その時代は、TopshopやPrimarkといったファストファッション大手が台頭。周囲に溶け込むことに必死だった少女にとって、安価で流行の服が突然手に入るようになったことは天の恵みだったという。
その後、エイミーはナオミ・クラインの『ブランドなんか、いらない』を読み、工場労働者がいかに搾取されているか、そして企業の貪欲さを知り、エイミーに言わせれば「完全に方向転換」する。オフグリッドで育った彼女の価値観がフィードバックされ、サステナブル・ファッションを最も熟知したデザイナーの一人となっていくのだった。

2023年3月、イギリスでの映画公開

撮影編集に5年を費やし、本作はトライベッカ映画祭でプレミア上映、そして2023年3月にイギリスでの劇場公開を迎えた。サステナビリティへの高まる注目度とも相まって、The TimesやThe Guardianの紙面では「服を着る人すべてが見るべきだ」と言った絶賛評が掲載されている。

エイミーの子供時代
デザイン画

COMMENTS

〈順不同〉

徹底した信念が業界を、社会を動かす。
エイミー・パウニーの生き方そのものが、
ファッションの「今」を物語っている。

篠原ともえ さん

デザイナー/アーティスト

ファッションを仕事にする人も実は知らない
「服が誕生するまで」の真実。
見れば、今着ているその服に愛着がわいてくる。

向千鶴 さん

WWDJAPAN編集統括サステナビリティ・ディレクター

着ている服が何カ国を渡り歩いて出来たのか、
セーターならどんな羊の毛なのか…
考えたことありますか?
すぐに全てを変えられないけど、知る大切さ。
今年で一番タメになった
地球とファッションへの愛が詰まった一本です。

LiLiCo さん

映画コメンテーター

デザイナーの志がシャトルとなり、生産者の想いと織り上げていく。
美しく清々しい素材の調達ロードムービー。
ファッションの社会的・環境的課題を扱いつつ、主人公の姿勢に勇気をもらえるお仕事ムービーとしても秀逸!

鈴木啓美 さん

ピープルツリー広報・啓発担当

誇りを持って語れるサプライチェーンを構築する
大変さ、おもしろさをたっぷり感じられる100分。
服に携わる仕事をしている人は共感の連続だろうし、
服を着ているすべての人は、
自分の手元に届くまでの果てしないプロセスに驚くかもしれない、
ぜひ見てほしいです。

鎌田安里紗 さん

一般社団法人unisteps共同代表理事

目を瞑っていた課題と、ついに向き合うチャンスをくれる映画。
サスティナブルや動物愛護について考えるスタートになった。

山内マリコ さん

小説家

この映画を観た前と後だと服の買い方、選び方はきっと変わるだろう。
「何を着るかはどう生きるか」だとしたら、この映画があなたの人生のターニングポイントになるかもしれない。

シトウレイ さん

フォトグラファー/ジャーナリスト

西淑さんイラスト

服がつくられる過程を遡って追っていく。
トレーサブルな原材料を探し求める途方もない冒険の記録。
ファッション界では異端者扱いだったエイミーが
共感しあえる生産者たちと出会い
理想の素材での服作りを叶えていく。
エイミーの表情がどんどん自信に満ちていくのも印象的。
サステナビリティへの関心は高まりつつあるが、
より深刻さを増している気候危機に直面している今、
すべてのつくり手・消費者の意識の変革が急がれると思った。
美しい哲学を持った素材は美しい風景のなかから生まれるのだと感じた。

西淑 さん

イラストレーター/画家

生きとし生けるもの、森羅万象、人類。
地球という奇跡の星、愛の存在の中でわたしたちは生かされているのだということを、一から考え直さなくてはならないと痛感させられる映画です。
さまざまな過酷な状況を作ってしまったのがまた人類であるということも。
あたりまえになってしまったことを紐解き、その原点を見つめ直すための探求、そのブレない意思が素晴らし過ぎて胸を打たれました。
これから一人ひとりに何ができるのかと、真剣に考えさせられ、すぐにでも行動に移さなくてはと居ても立ってもいられなくなる映画でもあります。

特に素晴らしいのはドキュメンタリーとは思えないストーリーの組み立て方と臨場感、そして映像の美しさ。

ファッションという、流行の中で消費され、知らずしらずのうちに自然破壊をして来たわたしたちの意識にやっと変化が訪れている。
たくさんの人々がそれに気づき行動を起こすきっかけになって欲しいと心から願います。

安野ともこ さん

スタイリスト/デザイナー

近年の感動した映画とは比べものにならないほど泣きました。
ファッション業界の地球環境への悪影響はすでに知っている事が多かったのでうなずくばかりでしたが、エイミーがパパから言われた言葉『無関心で何もしないのは間違っている。お前は行動を起こした!』。これは、私が亡き母から世界で一番言われたかった言葉だったと、泣きながら気がつきました。サスティナブルなんて言葉のない私の幼い頃、思春期も、ずっと私たち兄弟妹に教えてくれた偉大なる母から、私が大人になってTHINKSという活動や仕事をしている姿を見て欲しかったんだ、と気がつきました。

又、私が活動を始めたころに自分に問いかけた言葉と同じ『変人に見えるのかも』。キャサリンの言葉『Never give up!』。エイミーのママから贈られた詩の一節『スタイリッシュに地球を救おう!』は、まさに私がTHINKSを始めた時の思いと重なりました。

そして最後に大泣きしてしまったシーンは、ペドロとサラたちがロンドンを訪れた時にペドロが優しい声で言った『天然素材を求めてうちにデザイナーが訪ねてきた。とても幸せな気持ちだった』というなんて幸せな言葉。

空を見上げて半分笑顔でこんなに泣くなんて、私は自分でびっくりしてしまいました。
たくさんの人に見て欲しいって思いました。ありがとうございました!

石井なお子 さん

クリエイティブディレクター/スタイリスト